La Festa Mille Miglia 2019

大会レポート

【大会レポート4日目・表彰式】2019年10月28日

圧倒的な強さを見せた、竹元夫妻チームが昨年に続き優勝

最終日の4日目は、朝から快晴。3日間、冷たい雨に打たれてきたからか、太陽を見ただけで嬉しくなってしまう。走行距離が約230kmと若干少なくなるこの日は、ゆったりとした朝を迎えた。人も車も疲れがピークに達しているはずだが、旅の終わりの何とも言えない寂しさを、エントラントたちはどことなく感じていた。

この日最初のポイントとなった成田山新勝寺門前広場には、平日にもかかわらず、たくさんの人たちが応援に来てくれていた。子どもたちも多く、手旗を懸命に振るその姿は、最後のゴールまでエントラントを励ますエールとなった。

成田山新勝寺門前広場を出ると、千葉県内の5つのポイントを経由し、東京都内へ。ゴールとなる明治神宮は、もう目の前だ。4日間で30ヶ所のスタンプポイントを巡り、15ヶ所のPC競技会場で60区間もの競技を行い、1都5県・約1,300kmもの道のりを走ってきた車とエントラントたち。今年は雨が続き、ハードな日程となったが、明治神宮には彼ら・彼女らの帰りを待つ人たちが大勢集まっていた。

日か落ち始めた午後4時30分からのゴールセレモニーでは、ライトアップされた車たちが、夕闇の神宮橋に美しく浮かび上がり、幻想的な空間を演出していた。無事に完走を遂げた1台1台が紹介され、マイクを向けられたエントラントたちは、「今年は本当に大変な4日間だったが、東北の人たちに温かく迎えられて、忘れられない大会になるだろう」と笑顔で口にした。被災地支援大会として開催した今大会。我々が走ることで、少しでも励みになればと思っていたが、各地域を走りながら励まされたのは、じつは我々のほうなのかもしれない。

ゴールセレモニーが終わると一行はホテルへ向かい、フェアウェルディナーと表彰式へ。彬子女王殿下をお迎えしてのパーティでは、ここまで我慢してきたお酒を存分に楽しみ、美味しい料理に舌鼓。楽しい時間はあっという間だ。午後9時を過ぎると、いよいよ表彰式が始まる。

今年は、昨年2位となった、イタリアの Mille Miglia で2度の優勝経験を持つモッツィ・ビアッカチームが不参加で、昨年3位の山﨑親子チームも残念ながら途中リタイアとなった。悪天候の中、着実にポイントを積み重ね、優勝を手にしたのは果たしてどのチームか。

第3位は、No.28の松下夫妻チーム。出場14回のベテランチームが、初の表彰台となった。壇上で、はにかみながら嬉しさを滲ませていた2人の姿が、印象的だった。3日目まで2位という好成績を維持しながらの、3位入賞となった。

第2位となったのは、No.39の瀧川親子チームだ。トップ10入りの常連チームが、2016年から3年ぶりの2位入賞を果たした。2日目からじわじわと成績を上げ、最終的に2位でフィニッシュとなった。

そして、2019年の勝者となったのは、今回もやはり強かった、No.3の竹元夫妻チームだ。昨年に続き、2年連続の優勝となった。2日目から1位の座を譲らず、2位と約12,000ポイントの差をつけて、圧倒的な勝利を見せた。優勝スピーチでは、「65歳のわたしでも、優勝できるんです」と冗談ぽく笑顔で語り、会場からは大きな拍手が送られた。

こうしてすべての行程が終了し、表彰式が終わる頃にはすっかり夜も更けていた。駐車場で静かに休む車たちに、また新たな旅の思い出が刻まれた4日間。励まし、励まされ、雨のなか各地を巡った今秋の記憶は、忘れることはないだろう。

La Festa Mille Miglia 2019 が開催された模様は、12月21日(土)にBSフジにて放送予定。また、春に開催される La Festa Primavera 2020は、4月17日から行われる予定だ。

(文&写真:岩本 美香)
昨年に続き圧倒的な強さで優勝した竹元夫妻チーム
昨年に続き圧倒的な強さで優勝した竹元夫妻チーム
成田山新勝寺門前広場で子どもたちに手を振る JAGUAR XK120
成田山新勝寺門前広場で子どもたちに手を振る JAGUAR XK120
一宮海岸で結果公開形式のPC競技に臨む ALBANESI 1100 SPORT
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袖ヶ浦フォレストレースウェイでPC競技に挑む HEALEY SILVERSTONE
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見事完走し明治神宮にゴールする ASTON MARTIN Mk-2
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