5月16日から19日までの4日間、Mille Miglia 2018が開催された。 91回目を迎えたMille Miglia 2018には今年も世界各国から合計450台がエントリー。 今年もBrescia市内のフィエラ(展示場)を借り切って、14日から16日の午前中まで車検が行われた。 日本チームは昨年同様、事務局からグループ車検を勧められた為、半数のチームがこれに参加。昨年はだいぶ待たされた事もあり心配していたが、今年は順調に審査が進み小一時間程度で車両チェックまで進んだ。 一方、個別に車検を受けた残りのチームも順調な様子。 一つ苦言を呈するならば、スタッフ間で意見の統一をして欲しいという点が挙げられるが、100人を超えるボランティアスタッフが携わっている事を考えると、なかなか難しいのかもしれない。 14日の夜には、一昨年から始まったガブッリトロフィーが開催された。 明けて15日。 ビットリア広場にはスポンサーブースや実況中継なども入り、イベント期間中で最も華やかな雰囲気になる。今年も広場の外周には多くの観客が集まり、大きな声援を送っていた。参加者はシーリングの後、記念品を受け取り全ての準備が整った事になる。 この日の夜には恒例のVeteran Car Club Tokyo主催の夕食会が開催された。 そしていよいよ16日。 1号車のスタート時間に合わせて、スタート台のあるViale Venezia(ベネチア通り)には続々と参加車輌が集まってきた。その上空をイタリア空軍の戦闘機がイタリア国旗(赤・白・緑)のカラースモークを噴射しながら轟音と共に通過して行く。こういう演出をみると、やはり国を挙げてのイベントなのだという事を実感する。 そして大きな声援と拍手の中、いよいよ午後2時30分にゼッケン1番のBMW328がスタート。日本チームの12台も勢いよく飛び出していった。一行はBresciaを出ると、Milano Marittima〜Roma〜Parmaを経由して、再びBresciaを目指す。 「Mille Migliaが始まると雨が降る」とBrescia市民の間では語られているそうだが今年は比較的天候には恵まれた。初日の夕方こそ大雨が降ったが、それ以降はそこまでの雨に見舞われる事はなかった。 楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。いよいよゴールの日を迎えた。続々とVialle Veneziaへ帰って来る参加者達の顔は真っ黒に日焼けしていたが、その顔はどれも笑顔。お互いの健闘を讃え合うは、Mille Migliaの精神に則ったもので観客からもその姿に大きな歓声が上がっていた。最終的にゴールできたチームは371台。残念ながら79台がリタイアという結果になってしまった。 今大会で2つ、嬉しいサプライズがあった。 Mille Miglia 2018のオフィシャルポスターに各スポンサーと共にイベントパートナーとしてLa Festa Mille Migliaのロゴマークが掲載されていた。これは、今までにはなかった事で、Mille Miglia委員会の心づかいに感謝したい。 もう一つは、元Mille Miglia事務局長のコスタンティーノ・フランキさんが、17日(2日目)に訪れたArezzoという町のチェックポイントで、マイクを握って参加者の紹介をしていた事。La Festa Mille Migliaで何度も来日している彼との突然の再会に、多くの日本人参加者が喜んでいた。 毎年思う事だが時間や曜日、天候に関係なくポイントやルート上に多くの観衆が集まり、地元警察が全面的に協力して開催されている事には驚かされる。 気になった点を挙げると今回、初めてMilano市内(DUOMO広場前)にチェックポイントが設けられたのだが、いつ何時でも抜きにかかるMille Miglia走行にMilano市民が全く慣れていない為、危なっかしい場面が多々見られた。Milanoの様な大都市に土曜日の真っ昼間に400台近い参加者が雪崩れ込むのはリスクが高過ぎるし、過去に大事故が起きているMille Migliaだけに一考が必要ではないかと感じた。 最後になるが、昨年に引き続き二桁のチームが参加した関係で今年も日本からの応援団が多かった。クラシックカーラリーが好きな方には是非一度、現地で体感して欲しいし、より多くの方に実際に参加して貰いたいと思う。
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